役員選任基準
当社の取締役会は、各部門・各事業分野に精通し、高い能力とリーダーシップを有する業務執行取締役と、他の企業における経営経験や経理・財務に関する見識を有する社外取締役で構成しており、取締役会を運営する上で、その実効性を確保しつつ、信頼性を担保しております。その状況については、2021年10月に策定したスキル・マトリックスに基づき評価し、事業報告等で開示してまいります。
取締役の選任に関する方針・手続については各部門の専門知識を持つ者の中から、また社外取締役においては企業経営において経験豊富で幅広い知見を有する者の中から、役員選定基準(2015年12月決議)に基づき、常務取締役以上の取締役、社外取締役及び社外監査役(1名)からなる役員人事諮問委員会において協議の上で候補者を選定し、取締役会に答申しております。取締役会はこの答申について審議の上、株主総会付議議案として決議し、株主総会にお諮りしております。
取締役会の活動状況
第88期(2024年4月~2025年3月)において、当社は定時取締役会を毎月1回開催するほか、臨時取締役会を4回開催しております。個々の取締役の出席状況については次のとおりであります。
(注)取締役越坂誠一氏は、2024年6月27日開催の第87回定時株主総会において選任されたため、取締役会の開催回数が他の取締役と異なります。
取締役会検討内容
当社は、取締役会において、企業戦略や中期経営計画の策定、その他重要な経営判断を行っております。取締役会において当社の経営理念を確立し、基本方針等、経営の戦略的な方向付けを行っております。更に取締役会では、これら経営方針に基づき3ヵ年ごとに中期経営計画を策定しております。業務執行取締役は、これら経営目標達成のため、所管業務の陣頭指揮を執り、四半期に一度、業務の執行状況や経営課題等について業務執行報告を行っております。また、中期経営計画終了時には、必ずレビュー(回顧)を行い、もし計画が未達に終わった場合はその原因を十分に分析し、次の中期経営計画に反映させております。
決議事項
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- 株主総会に関する事項
- 取締役及び監査役に関する事項
- 執行役員に関する事項
- 財務に関する事項
- 株式及び社債に関する事項
- 重要な業務に関する事項
- 関連当事者間取引に関する事項
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取締役会の実効性についての分析・評価
当社では取締役会の実効性を担保し、向上させるため、毎年、各取締役・監査役による取締役会の実効性評価を実施しております。アンケートによる自己評価を実施し、取締役会で審議したうえでその結果を開示しております。
このたび、2024年度の取締役会の実効性評価を実施し、その結果を取締役会において報告・審議いたしました。概要は以下のとおりです。
1. 実効性向上に向けた2024年度取締役会の取り組み
前年度(2023年度)の評価結果を踏まえて、実効性の更なる改善を図りました。
・重要案件に時間をかけるなど、効率的かつメリハリを効かせた議事運営
・資料の公開・配布の早期化による付議者の説明時間短縮と本質的な議論に集中するための環境づくり
・資料のフォーマット提供と重要性の低い資料の削減による過不足のない資料提供
2. 2024年度取締役会実効性評価の実施内容
当社では、2024年度の取締役会の実効性評価を、取締役会を構成する取締役・監査役(全13名)を対象に、以下の内容について、アンケート形式での調査を実施しました。
① 取締役会運営及び議論の内容についての総合評価
② 取締役会の効率的な運営
③ 取締役会の議論及び改善の状況
④ 企業価値・ミッション・戦略・事業計画を踏まえた議論
⑤ 事業戦略決定に対する適切な参画
⑥ 経営戦略に基づく適切な指標の提示
⑦ 事業戦略の執行状況の効果的なモニタリング
⑧ 戦略の修正に対する適切なタイミングでの影響行使
⑨ 適切な議案数
⑩ 議案内容の明確性
⑪ 経営判断を行う上での十分な情報提供
⑫ 専門用語等難解な表現の排除
⑬ 資料のボリューム
⑭ メリハリの効いた議事運営
⑮ ポイントを押さえた説明
⑯ 説明不足の有無
⑰ 十分な審議時間の確保
調査結果を踏まえ、取締役会にて議論を行い、評価を行いました。
3. 評価結果
今回の評価結果を通じ、当社の取締役会の実効性については、おおむね確保されていると判断しました。
今後も引き続き、改善余地のある項目につき、更なる改善に取り組むとともに、重点的に審議・対応すべき課題を以下のとおり整理し、対策を講じてまいります。
(1)改善の余地がある項目
・投資案件等に対する多角的な検証と十分な議論
・中期経営計画や各種方針に基づく事業運営状況の進捗管理
・資本効率・財務体質・PBRの改善に向けた方策の継続的な検討
・潜在的リスクへの対応やコーポレート・ガバナンスの強化
(2)2025年度に重点的に審議・対応すべき課題
・中期経営計画や各種方針への対応状況についての十分な議論とモニタリングの実施
【TOHO Step Up Plan 2027に掲げる重要課題】
① 電子情報材料分野の拡大・中核事業化
② 東邦化学(上海)有限公司を成長軌道に乗せ、海外市場開拓の取り組みを強化
③ 高機能・高付加価値製品の開発を加速
④ 最適生産体制構築による生産性改善及び業務効率化
⑤ 資本効率・財務体質・PBRの改善
⑥ 人的資本強化の取り組み推進
⑦ 脱炭素化へ向けたサステナビリティ活動の取り組み強化
【各種方針】
・事業ポートフォリオ基本方針
・最適生産体制構築に向けて(工場の位置付け、役割分担、将来構想)
・脱炭素化に向けた取り組み方針
・人的資本に関する取り組み方針、他
4.更なる実効性向上に向けた取り組み
取締役会の更なる実効性向上に向け、2025年度においても、経営課題への活発な審議を通じて、社内・社外役員間の意思疎通の深化を図ってまいります。また、今回の調査結果から抽出した重点的に対応すべき課題に加え、当社グループの事業に影響を与える機会やリスク等についても議論を深め、必要な対応を実施してまいります。
社外取締役の独立性判断基準
当社では、当社独自の独立社外役員の独立性基準等は定めておりません。独立社外取締役候補者の選定に当たっては、企業経営において経験豊富で幅広い知見を有し、会社法や東京証券取引所の定める独立性基準を満たす者の中から、取締役会における十分な議論を通じて候補者を選定しております。
なお、当社の独立社外取締役は、取締役会において独立かつ客観的な立場から積極的に意見を述べるなど、これまで、取締役会での率直・活発で建設的な議論・検討に大きく貢献してまいりました。2016年6月からは1名増員し2名体制としており、更なる体制の強化を図っております。