当社グループのサステナビリティに関する考え方及び取組は、次のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
ガバナンス
当社グループは、取締役会及びコンプライアンス・リスク管理委員会においてサステナビリティ関連のリスク及び機会を監視・監督しており、サステナビリティ関連の取組状況を共有し、目標の設定や更なる改善に向けた議論等を実施する体制となっております。
リスク管理
サステナビリティに関する課題については、気候変動対応、人的資本・多様性、サプライチェーン、品質管理、事業継続・最適生産等を中心に、各部門及び部署がそれぞれ中期経営計画の目標としてサステナビリティに関する課題を掲げております。これらの課題は経営企画部が進捗状況を管理するとともに、定期的に取締役会及びコンプライアンス・リスク管理委員会に報告され、レビュー・評価を実施しております。
コンプライアンス・リスク管理委員会では、サステナビリティに係るリスクの識別や優先的に対応すべきリスクの絞り込み、サステナビリティ関連の機会の識別や評価及び優先順位付け等を実施し、重要なリスク及び重要と認識された機会については、執行役員会での協議を経て戦略、計画に反映させるとともに、取締役会へ報告し、監督を行ってまいります。
戦略
人的資本・多様性
当社グループにおける、人材の多様性の確保を含む人材の育成に関する方針及び社内環境整備に関する方針は次のとおりです。
- 人材育成方針「採算意識とスピードに対する意識を持ち、国内外の職場で活躍できる人材の育成を目指す」
各種教育制度のほか、社員一人一人に活躍の場を与えて、チャレンジ意欲を喚起する職場環境の整備や、報いるべき社員にしっかり報いるメリハリの利いた人事制度への改訂を目指すなど、社員の成長を促す環境づくりに注力し、企業も個人も成長できる企業風土の醸成を進めてまいります。
- 社内環境整備方針「女性・外国人・中途採用者等を区別せず、公平な業績評価、管理職登用、適所適材の人員配置に努め、ダイバーシティ(多様性)やワーク・ライフ・バランスの向上を目指す」
上記社内環境整備方針に基づく各種取り組みに加え、職場の安全衛生の向上、労働災害の発生件数の大幅な削減の実現に向けた取り組みの一環として、2024年3月末にISO45001の認証を取得いたしました。また、2023年より全社員を対象としたエンゲージメント調査を毎年実施し、人的資本たる社員の意識を詳細に把握するとともに、調査結果を踏まえ各種制度や施策の策定に反映しております。
気候変動対応
「脱炭素化へ向けた取り組み方針」に基づき、長期目標として「カーボンニュートラルの実現」を掲げ、その実現に向けて共通認識とスピード感を持って取り組んでおります。
指標及び目標
人的資本・多様性
管理職に占める女性労働者の割合、男性労働者の育児休業取得率及び労働者の男女の賃金の差異についての実績は、「人材育成」のページに記載しております。
なお、女性活躍推進法 一般事業主行動計画に定まる管理職に占める女性労働者の割合に関する目標は下記のとおりです。今後新たな指標及び目標の設定又は更新を実施する予定です。
目標:10.0%(目標設定期間 2026年6月まで)
気候変動対応
当社グループの脱炭素化に向けた目標及びスケジュールは以下のとおりです。
① 国内
・Scope1+2:2030年度までにGHG排出量を2013年度対比35%削減する。
・Scope3:特に最も大きな排出量の割合を占めるCategory1(原料)の削減に取り組む。
② 国外
・各地域の規制や市場動向に合わせた目標設定を行う。
当社単体の2023年度のGHG排出量の詳細は以下のとおりです。
単位:t-CO2
サプライチェーン排出量算定について
準拠ガイドライン
「GHGプロトコル」及び環境省・経産省発行「サプライチェーンを通じた温室効果ガス排出量算定に関する基本ガイドライン(Ver.2.6)」に基づき算定しております。
算定係数
「サプライチェーンを通じた組織の温室効果ガス排出等の算定のための排出原単位データベース(Ver.3.3)」及び「IDEA(Ver.2.3)」を使用しております。
組織範囲
東邦化学工業株式会社(単体)
なお、今後は連結での排出量算定を進めていく予定です。
算定範囲
Scope1、Scope2、Scope3 Category1~7
なお、Scope3 Category8・13・14・15については排出活動が存在しないことから、また、Scope3 Category9・10・11・12は算定に必要なデータ収集が困難であることから算定しておりません。
脱炭素化に向けた取り組み方針
脱炭素化に向けた取り組みは社会的使命であるとともに、当社グループがこの先成長するための好機であるとの認識をグループで共有し、脱炭素化に向けてスピード感を持って取り組むべく、ここに当方針を定める。
第1条(目 標)
当社グループは、将来的なカーボンニュートラルの実現を目指すべく、下記のとおり目標を掲げ、目標実現のためにグループ一丸となり取り組みを推進する。
① 国内
・Scope1+2:2030年度までにGHG排出量を2013年度対比35%削減する。
・Scope3:特に最も大きな排出量の割合を占めるCategory1(原料)の削減に取り組む。
② 国外
・各地域の規制や市場動向に合わせた目標設定を行う。
第2条(省エネ・省資源対策)Scope1+2
- 省エネ・省資源対策を徹底的に進めるため下記6項目を軸に、各分野・各工場で実行可能な方策を検討して実施し、エネルギー消費量を最大限圧縮する。
① 無駄の削減
② エネルギー再利用
③ 省エネ設備導入・更新
④ 生産性改善・収率改善
⑤ 廃棄物・廃液の削減
⑥ 製品形態の見直し
- より低排出なエネルギーやクリーンエネルギーへの切り替え、再生可能エネルギー設備の導入等を安定的かつ安価で調達すべく、継続的な市場及び価格動向の調査を実施し、エネルギー転換によるコスト増とのバランスやエネルギー転換する割合等も考慮しながら導入時期を決定・実施する。前項の取り組みと合わせ、第1条に掲げた目標達成の実現を目指す。
- 主要工場の省エネ・省資源対策の策定・実施は、生産本部長の指揮・承認のもと、工場長の責任においてこれを推進する。
- 生産本部のリーダーシップのもと、工場間で相互に連携、取り組みの横展開を図りつつ、整合性ある形で計画を押し進める。同本部が全工場の進捗状況等を取りまとめ、スピード感・全体感を持ってこれに対応する。
- 本条の取り組みは、生産本部のみならず、研究開発本部、事業本部及び関連部署が綿密に連携し、全社一丸となり取り組みを推進する。
第3条(カーボンフットプリント)Scope3 Category1
- 早期にカーボンフットプリントの管理体制を構築して製品のGHG排出量を把握する。各製品のGHG排出量及び構成を把握した上で、継続的なGHG排出量の削減に努め、より低炭素化された製品の供給を目指す。
- GHG排出量の構成要素の中で特に大きな割合を占める原料について、より低炭素なグリーン原料(バイオマスやCO₂・水素から合成するエチレンベースのEO等)への切り替えも視野に、継続的なサプライチェーン及び価格動向の調査を実施し、コストや品質、仕様変更に伴う顧客の承認の可否等も考慮しながら製品ごとに適切な時期等を判断し実施する。
第4条(環境配慮製品の開発)
- 環境配慮製品(気候変動対応型、環境負荷低減型、資源有効活用型)の開発に注力し、ユーザーの脱炭素化に貢献する製品ラインアップを増やすと共に、売上全体に占める販売比率を高める。
- 市場のニーズに応えるべく、ユーザーが安心して当社製品をご使用いただけるようRSPO等、環境認証を取得した製品ラインナップの充実を図る。
第5条(その他施策)
- EcoVadisやCDP等の外部評価を定期的に受審し、その評価結果から是正点や改善策を検証、立案し、更なる取り組みの改善につなげる。
- Scope1、Scope2及びScope3 Category1以外の項目についても、各担当部門が継続的に削減策を講じ、GHG排出量の削減に努める。
第6条(推進体制)
- 脱炭素化に向けた取り組みに関する総責任者は代表取締役社長とする。
- 脱炭素化に向けた取り組みに関する進捗管理及び対外的対応は、経営企画本部経営企画部が担うものとする。
- 本方針の改廃については経営企画本部経営企画部が所管する。
以上
【改訂履歴】
2021年12月24日制定
2024年12月25日改定